2005年に入ると、本作がなかなかリリースされないことに業を煮やしたファンが、freefiona.comというウェブサイトを立ち上げてキャンペーンを開始し、レーベルを批判[6]。1月28日には、45人ほどのファンがソニーBMG(アップルの所属レーベルであるエピック・レコードの親会社)本社の前に集まり、抗議活動を行った[9]。ただし、エリゾンドの説明によれば、アルバムを作り直したのはレーベルではなくアップル本人の意向であり[8]、アップル自身も2005年9月に行われたインタビューで「彼ら(エピック・レコード)は却下なんて言わなかったし、延期もしていない」と語っている[10]。また、2月末にはシアトルのラジオ局The End 107.7がアップルの未発表曲をオン・エアし、既にインターネットで流出していたタイトル曲と「ベター・ヴァージョン・オヴ・ミー」だけでなく「ノット・アバウト・ラヴ」、「ゲット・ヒム・バック」、「ユースト・トゥ・ラヴ」といった仮タイトルの新曲も放送された[11]。そして、最終的には11曲がインターネット上に流出する[7]。
公式リリースされたヴァージョンには、ブライオンがプロデュースした2曲を含む12曲が収録され、そのうち「パーティング・ギフト」は事前にリークされなかった完全未発表曲である[4][7]。エリゾンドによれば、大部分の曲のサウンドはリークされた初期ヴァージョンと「根本的に違う」とのことである[7]。なお、ピッチフォーク・メディアの寄稿者Rob Mitchumは、ブライオンがプロデュースした初期ヴァージョンと公式のヴァージョンを比較して、「違いは微妙どころではない」「"Not About Love"や"O' Sailor"といった曲では、ブライオンは自主映画の傑作におけるサウンドトラック制作と同様、アップルの曲を豪華に編曲している」「エリゾンドのアプローチは、より折衷的」と評している[12]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「『真実』をより明るく、簡素にしたような響きで、同作のように独特のアレンジが施されているわけではないが、曲自体の芸術っぽさは保たれている」「より親しみやすくなったかもしれないが、その姿勢、意志、表現において、なおもアート・ポップ・アルバムであり続けている」と評している[15]。『ローリング・ストーン』誌が選出した「2000年代のベスト・アルバム100」では49位[16]。『ローリング・ストーン』誌の「歴代最高のアルバム500選」に選ばれている[17]。