『ウェンズデー』(英: Wednesday)は、『アダムス・ファミリー』のキャラクター、ウェンズデー・アダムスを主役にしたコメディホラーテレビドラマ。制作はアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラー。主人公のウェンズデーをジェナ・オルテガが演じている。アダムス・ファミリーを演じるのは、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ルイス・ガスマン、アイザック・オルドネス、フレッド・アーミセン。ほかにグウェンドリン・クリスティー、リキ・リンドホーム、ジェイミー・マクシェーン、クリスティーナ・リッチらが出演している。監督、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるティム・バートンは、8つのエピソードのうち4エピソードを監督している。
2022年11月23日にNetflixで全8話が一挙配信され、4週間で累計11.9億に及ぶ視聴時間を記録。第2シーズンの制作も決定した[1]。
ストーリー
高校を退学になったウェンズデー・アダムスは、彼女の両親であるゴメズとモーティシアがかつて通っていた「異常な才能を持つ子どもたち」を育成しているネヴァーモア学園に入学する。自分の超能力を充分にコントロールできず、同級生に溶け込めないウェンズデーは、謎のモンスターによる殺人事件を目撃し、調査することを決意する。
キャラクター
メインキャスト
- ウェンズデー・アダムス
- 演 - ジェナ・オルテガ (遠藤璃菜)
- 幻視能力を持つティーンエイジャーで、頭脳明晰で多国語を操り、フェンシングの腕も一流の才女。趣味は小説の執筆。白と黒のファッションを好む、ゴス系の少女。ペットのサソリを殺されてから泣くことをやめて以降、感情表現を封印。高校で問題を起こしたため、両親によって特殊な能力を持つ、除け者たちの学校であるネヴァーモア学園に送られる。
- ウェンズデー・アダムス(子供時代)
- 演 - カリーナ・ヴァラディ
- ラリッサ・ウィームス
- 演 - グウェンドリン・クリスティー (きそひろこ)
- ネヴァーモア学園の校長。学園の卒業生で、ウェンズデーの母親、モーティシア・アダムスとルームメイトだった。
- ラリッサ・ウィームス(少女時代)
- 演 - オリバー・ウィッカム
- ヴァレリー・キンボット博士
- 演 - リキ・リンドホーム (園崎未恵)
- ウェンズデーのセラピスト。
- ドノバン・ガルピン
- 演 - ジェイミー・マクシェーン(英語版) (増元拓也)
- モンスターによる殺人事件を調査するジェリコの保安官。ネヴァーモア学園の生徒に疑いを持っている。タイラーの父親でもある。
- タイラー・ガルピン
- 演 - ハンター・ドゥーハン (岩中睦樹)
- ガルピン保安官の息子で、ジェリコの街中のコーヒーショップ「風見鶏カフェ」で働いている。ウェンズデーに淡い恋心を抱いている。
- マリリン・ソーンヒル
- 演 - クリスティーナ・リッチ (小島幸子)
- ネヴァーモア学園の寮母を務める植物学の教師。ウェンズデーが学校になじむよう、気を使ってくれる存在。
ネヴァーモア学園の生徒
- イーニッド・シンクレア
- 演 - エマ・マイヤーズ (天野心愛)
- ウェンズデーのルームメイト。明るくて心優しい性格。カラフルでキュートなものが好きで、ウェンズデーとは全てが対照的な人狼族の少女。周囲と距離を置くウェンズデーに気さくに接する。エイジャックスに恋心を抱いている。爪だけしか人狼化しないと家族に責められている事に悩んでいる。最終回で見事に人狼化する。
- ゼイヴィア・ソープ
- 演 - パーシー・ハインズ・ホワイト(英語版) (熊谷健太郎)
- 自分のアートに命を吹き込む能力を持つ。ウェンズデーとは10歳の時に一度出会っている。
- ビアンカ・バークレー
- 演 - ジョイ・サンデー (高梁りつ)
- ネヴァーモア学園の優秀な生徒で、人の心を操ることが出来るセイレーン族。ゼイヴィアの元彼女。
- エイジャックス・ペトロポラス
- 演 - ジョージ・ファーマー (野津山幸宏)
- 石化能力を持つゴルゴン族の男子生徒で、普段はニット帽で蛇の髪の毛を隠している。
- ユージーン・オティンガー
- 演 - ムーサ・モスタファ (永竹功幸)
- ウェンズデーと仲良くなる、学園の養蜂クラブの唯一の部員。ハチを操る能力を持つ。森の中でモンスターに襲われた際、重傷を負い入院した。
- ローワン・ラスロー
- 演 - カラム・ロス (善養寺恭平)
- テレキネシス能力を持つ。母は予知能力者で、ウェンズデーが学園に災厄をもたらすと予言した。ウェンズデーの目の前でモンスターに襲われる。
アダムス・ファミリー
- モーティシア・アダムス
- 演 - キャサリン・ゼタ=ジョーンズ (深見梨加)
- 長い髪に黒いロングドレスをまとったウェンズデーの美しい母。
- モーティシア・アダムス(少女時代)
- 演 グウェン・ジョーンズ
- ゴメズ・アダムス
- 演 - ルイス・ガスマン (辻親八)
- 醜悪な容姿のウェンズデーの父。妻とはべったりの愛妻家で、家族愛も深い。
- ゴメズ・アダムス(青年時代)
- 演 - ルシアス・ホヨス
- パグズリー・アダムス
- 演 - アイザック・オルドネス (永竹功幸)
- いじめられっ子のウェンズデーの弟。
- ラーチ
- 演 - ジョージ・バーシア
- アダムス家の執事。
- ハンド
- 演 - ビクター・ドロバントゥ
- ウェンズデーの両親がウェンズデーの学園生活を見守るように派遣された"手だけの存在"。原語では"Thing"。
- フェスター伯父さん
- 演 -フレッド・アーミセン (落合弘治)
- ゴメズの兄でウェンズデーの伯父。
エピソード
製作
制作経緯
[2][3][4][5]
2020年10月、ティム・バートンが指揮を執るアダムス・ファミリー・プロジェクトが発表された。シリーズの制作はMGMテレビジョンが担当し、バートンが監督を務める。アルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーがショーランナーを務め、さらにゲイル・バーマン、ジョン・グリックマン、アンドリュー・ミットマンとともにエグゼクティブ・プロデューサーも兼任する[6]。
2021年2月、Netflixはこの作品を全8エピソードのシリーズとして発注した[7]。2021年8月、ケイラ・アルパートがエグゼクティブ・プロデューサーとして加えられ、1.21、ティー&チャールズ・アダムス財団、グリックマニアもシリーズをプロデュースすることになった。
2021年12月、ダニー・エルフマンがシリーズに参加し、クリス・ベーコンを共同作曲者としてオリジナル・テーマを作曲したことが報じられ、彼の「テレビへの最初の本格的な進出」となった。
キャスティング
2021年5月19日、ジェナ・オルテガがタイトルロールにキャスティングされた。2021年8月6日、ルイス・グスマンがゴメズ・アダムス役で、2021年8月9日、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがモーティシア・アダムス役で未発表のままキャスティングされた。2021年8月27日、ソーラ・バーチ、リキ・リンドホーム、ジェイミー・マクシェーン、ハンター・ドゥーハン、ジョージー・ファーマー、ムーザ・モスタファ、エマ・マイヤーズ、ナオミ・J・オガワ、ジョイサンデー、パーシー・ハインズ・ホワイトがシリーズレギュラーとして追加されたと発表された。2021年9月15日、グウェンドリン・クリスティとビクター・ドロバントゥが主演に、アイザック・オルドネス、ジョージ・バーシア、トミー・アール・ジェンキンス、イマン・マーソン、ウィリアム・ヒューストン、ルヤンダ・ウナティ・ルイスニャウォ、オリバー・ワトソン、カルム・ロス、ジョナ・ディアス・ワトソンがレギュラーの配役でキャスティングされている。
2021年12月、バーチがシリーズを退場し、彼女のキャラクターである寮母タマラ・ノヴァックの配役は未定となった。2022年3月21日、1991年の映画と1993年の続編でウェンズデー・アダムスを演じたクリスティーナ・リッチがシリーズレギュラーとして起用されたことが発表された。2022年10月8日、フレッド・アーミセンがフェスター伯父さんを演じることが明らかになり、同時にリッチはマリリン・ソーンヒル役であることが確認された。
撮影
シリーズの撮影は、2021年9月13日にルーマニアのブシュテニで始まり、2022年3月30日に終了した。[8][9]第1シーズンの撮影中の経験について、オルテガは、プロダクションの早い撮影スケジュールのため、同シリーズでの仕事を「非常にストレスが多く、混乱した」、「これまでで最も圧倒される仕事だった」と語っている。[10]オルテガは、スージー・スーからインスピレーションを得て、ザ・クランプスの「Goo Goo Muck」のダンスを自ら振り付けた[11]。シーズン2の撮影は2024年4月を開始予定としており、ロケ地はルーマニアからアイルランドへと変更になった[12]。
公開
2022年11月16日にロサンゼルスのHollywood Legion Theaterで初放送され[13]、11月23日にNetflixで8つのエピソードが一挙配信された。
配信開始1週間で3億4,123万時間という視聴時間を獲得。『ストレンジャー・シングス4』が保持していた記録を塗り替え、Netflix史上1週間で最も視聴された英語テレビシリーズとなった[14]。
スピンオフ
2023年12月19日、フェスターおじさん(英語版)に焦点を当てたスピンオフドラマが開発中だと発表された[15][16]。
出典
- ^ “Netflixの人気ドラマ『ウェンズデー』、シーズン2の制作が決定に”. COSMOPOLITAN. 2023年8月12日閲覧。
- ^ 1991年『アダムス・ファミリー』の映画が企画され、ティム・バートンが監督することになったが、『バットマン リターンズ』とのスケジュールの都合で見送りに。結果的にバリー・ソネンフェルドがその任に就いた。Brew, Simon (September 29, 2014). “The huge behind the scenes problems on The Addams Family”. Den of Geek. Dennis Publishing. April 12, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。October 24, 2021閲覧。
- ^ 2010年3月、イルミネーション・エンターテインメントがユニバーサル・ピクチャーズと共同で、アダムス・ファミリーの原画の権利を取得したことが発表された。Fleming, Mike Jr. (March 18, 2010). “Tim Burton's Next 3D Animated Film? Da Da Da Da, Snap Snap: 'The Addams Family'”. Deadline Hollywood. February 17, 2021閲覧。
- ^ この映画は、チャールズ・アダムスの原画をもとにしたストップモーション・アニメーションになる予定であり、バートンはこの映画の共同脚本と共同製作を担当し、監督を務める可能性もあるとされていた。Fleming, Mike Jr. (August 19, 2010). “Tim Burton Reunites With 'Ed Wood' Scribes For 'Addams Family' And 'Big Eyes'”. Deadline Hollywood. February 17, 2021閲覧。
- ^ 2013年7月、同作品はキャンセルされたと報じられた。Debruge, Peter (July 17, 2013). “Illumination Chief Chris Meledandri Lines Up Originals for Universal”. Variety. February 17, 2021閲覧。 “At the same time, Illumination has scrapped a Tim Burton-helmed, stop-motion "The Addams Family".”
- ^ Kroll, Justin (October 22, 2020). “'Addams Family' Live-Action TV Series From Tim Burton Heats Up TV Marketplace”. Deadline Hollywood. February 17, 2021閲覧。
- ^ Goldberg, Lesley (February 17, 2021). “Wednesday Addams Live-Action Series From Tim Burton Lands at Netflix” (英語). The Hollywood Reporter. February 17, 2021閲覧。
- ^ “Tim Burton's 'Wednesday' Series Officially Begins Filming at Netflix [Exclusive]”. Midgard Times (September 13, 2021). September 13, 2021閲覧。
- ^ “The Addams Family Series 'Wednesday' Officially Wraps Up Filming at Netflix [Exclusive]”. Midgard Times (March 30, 2022). March 31, 2022閲覧。
- ^ Tapp, Tom (October 20, 2022). “Jenna Ortega Felt "Completely Lost And Confused" When She Began Playing Wednesday Addams For Tim Burton”. Deadline Hollywood. November 17, 2022閲覧。
- ^ Flood, Alex (November 10, 2022). “'Wednesday': behind the screams on TV's spookiest new spinoff”. NME. November 17, 2022閲覧。
- ^ “「ウェンズデー」シーズン2、2024年4月から撮影開始見込み ─ ロケ地はアイルランドにお引越し | THE RIVER”. theriver.jp (2023年11月15日). 2023年12月19日閲覧。
- ^ Chuba, Kirsten (November 18, 2022). “Events of the Week: 'Disenchanted','Glass Onion' and More”. The Hollywood Reporter. November 24, 2022閲覧。
- ^ “「ウェンズデー」、Netflix史上1週間で最も視聴された英語シリーズに ─ 「ストレンジャー・シングス4」を抜いて新記録樹立”. THE RIVER. (2022年12月1日). https://theriver.jp/wednesday-netflix-record/ 2022年12月14日閲覧。
- ^ “「ウェンズデー」スピンオフが企画中、フェスターおじさんが主人公に | THE RIVER”. theriver.jp (2023年12月19日). 2023年12月19日閲覧。
- ^ Schneider, Michael (2023年12月18日). “‘Wednesday’ Spinoff with Fred Armisen as Uncle Fester in Early Development at Netflix” (英語). Variety. 2023年12月19日閲覧。
外部リンク