インスリン・ショック療法

インスリン・ショック療法を受ける患者(1950年代、ヘルシンキ

インスリン・ショック療法(インスリン・ショックりょうほう、英語: insulin shock therapy)とは、かつて行われていた統合失調症の治療法の一つ。オーストリア出身のアメリカ合衆国の医師マンフレート・ザーケル英語版が、ショック療法として1933年に提唱した[1]

患者に対し、空腹時にインスリンを皮下注射し、強制的低血糖によりショック状態と昏睡を起こし、1時間後にグルコース頸静脈に注射し覚醒させる。医療事故の危険性もあり、抗精神病薬の開発が進み薬物治療ができるようになったため、1950年代以降は廃れる[2]。その後も中華人民共和国ソビエトなどで1970年代まで行われていた[3]

脚注

  1. ^ MJ Sakel (1956) The classical Sakel shock treatment: a reappraisal. In F. Marti-Ibanez et al. (eds.) The great physiodynamic therapies in psychiatry: an historical reappraisal. New York: 13-75.
  2. ^ 藤井康男 (2011年8月). “抗精神病薬出現前の治療法”. パブリックヘルスリサーチセンター. 2012年1月31日閲覧。
  3. ^ Kalinowsky, LB (1980). “The discovery of somatic treatments in psychiatry”. Comprehensive Psychiatry 21 (6): 428–435. doi:10.1016/0010-440X(80)90044-9. PMID 7000433. 

関連項目