アルマンド・トロヴァヨーリ(Armando Trovajoli, 1917年9月2日 - 2013年2月28日)は、イタリアの作曲家、指揮者である[1][2][3]。ジャズの分野で、200作を超える映画音楽を手がけている[1][2]。『ふたりの女』、『昨日・今日・明日』、『あゝ結婚』、『あんなに愛しあったのに』の作曲で知られる[1]。
来歴・人物
1917年9月2日、イタリアのラツィオ州ローマ県ローマで生まれる[1][2]。父はヴァイオリン奏者で、アルマンドもヴァイオリンを学び、のちにピアノと作曲をサンタ・チェチーリア音楽院に学んだ[3]。
1962年2月14日、女優のピア・アンジェリと結婚、翌1963年1月8日、ふたりの間にハワード・アンドリュー・ルガンティーノが生まれる[1][4]。1966年、マルコ・ヴィカリオ監督の『黄金の七人』でナストロ・ダルジェント作曲賞を初受賞する[1]。1969年、妻ピア・アンジェリと離婚、ピアは2年後にバルビツール酸系薬物の過剰摂取で死去している[4]。
1972年6月7日、歌手のマリア・パオラ・サピエンツァと正式に結婚、のちに次男ジョルジョが生まれる[1]。1978年、エットーレ・スコラ監督の『特別な一日』でナストロ・ダルジェント作曲賞を二度目受賞する[1]。同年、マルコ・ヴィカリオ監督の Mogliamante でダヴィド・ディ・ドナテッロ賞音楽賞を受賞する[1]。
1984年、エットーレ・スコラ監督の『ル・バル』でダヴィド・ディ・ドナテッロ賞音楽賞を受賞する[1]。1987年、エットーレ・スコラ監督の『ラ・ファミリア』でナストロ・ダルジェント作曲賞を三度目受賞する[1]。
1995年、フライアーノ賞映画功労賞を受賞する[1]。
2000年代に入り、90歳を迎えてからも現役として活動していた[1]。2007年、ダヴィド・ディ・ドナテッロ賞功労賞を受賞する[1]。
2013年3月2日、イタリアのANSA通信社がトロヴァヨーリの死亡を報道[5]。2月28日死去とされる[6]。
フィルモグラフィ
1940年代
1950年代
1960年代
- Tu che ne dici? : 監督シルヴィオ・アマディオ、1960年 - 作曲
- 『独身男性の愉しみ』 I piaceri dello scapolo : 監督ジュリオ・ペトローニ、1960年 - 作曲
- 『9月8日の戦車』 Il carro armato dell'8 settembre : 監督ジャンニ・プッチーニ、1960年 - 作曲
- A qualcuna piace calvo : 監督マリオ・アメンドーラ、1960年 - 作曲
- 『甘い生活』 La dolce vita : 監督フェデリコ・フェリーニ、1960年 - 音楽アレンジ
- Un militare e mezzo : 監督ステーノ、1960年 - 作曲・指揮
- 『危険なデイト』 I piaceri del sabato notte : 監督ダニエーレ・ダンツァ、1960年 - 作曲
- 『怪談生娘吸血魔』 Seddok, l'erede di Satana : 監督アントン・ジュリオ・マジャノ、1960年 - 作曲
- 『地の果ての恋』 Questo amore ai confini del mondo : 監督ジュゼッペ・マリア・スコテーゼ、1960年 - 作曲
- Anonima cocottes : 監督カミッロ・マストロチンクェ、1960年 - 作曲
- 『コール22-22 シェリダン中尉』 Chiamate 22-22 tenente Sheridan : 監督ジョルジオ・ビアンキ、1960年 - 作曲・指揮
- 『胸甲騎兵』 Il corazziere : 監督カミッロ・マストロチンクェ、1960年 - 作曲
- 『ふたりの女』 La ciociara : 監督ヴィットリオ・デ・シーカ、1960年 - 作曲
- Pugni, pupe e marina : 監督ダニエーレ・ダンツァ、1961年 - 作曲・指揮・出演・本人役
- 『トッポ・ジージョの冒険』 Le avventure di topo Gigio : 監督フェデリコ・カルドゥーラ / ルカ・デ・リーコ、1961年 - 作曲
- 『乗務員たち』 Gli attendenti : 監督ジョルジオ・ビアンキ、1961年 - 作曲
- 『ローマの女奴隷』 La schiava di Roma : 監督セルジオ・グリーコ / フランコ・プロスペリ、1961年 - 作曲
- 『トトとペッピーノと甘い生活』 Totò, Peppino e la dolce vita : 監督セルジオ・コルブッチ、1961年 - 作曲
- 『ローマの幽霊』 Fantasmi a Roma : 監督アントニオ・ピエトランジェリ、1961年 - 指揮
- 『ローマ・オリンピック1960』 La grande olimpiade : 監督ロモロ・マルチェリーニ、1961年 - 作曲
- 『裸のラウラ』 Laura nuda : 監督ニコロ・フェッラーリ、1961年 - 作曲
- 『アトランティス征服』 Ercole alla conquista di Atlantide : 監督ヴィットリオ・コッタファーヴィ、1961年 - 作曲
- 『マチステ』 Maciste : 監督カルロ・カンポガリアーニ、1961年 - 作曲・指揮
- 『メトロポリスの巨人』 Il gigante di Metropolis : 監督ウンベルト・スカルペッリ、1961年 - 作曲・指揮
- 『狂気の爪跡・牙男』 Lycanthropus : 監督パオロ・ハーシュ、1961年 - 作曲 (フランシス・バーマン名義)
- 『ヘラクレス 魔界の死闘』 Ercole al centro della terra : 監督マリオ・バーヴァ、1961年 - 作曲
- 『ヒモ』 Il mantenuto : 監督ウーゴ・トニャッツィ、1961年 - 作曲
- 『夜のナンバーワンのトト』 Totò di notte n. 1 : 監督マリオ・アメンドーラ、1962年 - 作曲・指揮
- 『四人の僧侶』 I quattro monaci : 監督カルロ・ルドヴィコ・ブラガリア、1962年 - 作曲・指揮
- 『わが友ベニート』 Il mio amico Benito : 監督ジョルジオ・ビアンキ、1962年 - 作曲
- Dieci italiani per un tedesco (Via Rasella) : 監督フィリッポ・ウォルター・ラッティ、1962年 - 作曲
- 『侵略惑星スケルトン』 Il mostro dai occhi verdi, 伊語原題 I pianeti contro di noi : 監督ロマノ・フェラーラ、1962年 - 作曲
- 『ボッカチオ'70』 Boccaccio '70 : 監督マリオ・モニチェッリ / フェデリコ・フェリーニ / ルキノ・ヴィスコンティ / ヴィットリオ・デ・シーカ、1962年 - 作曲・サウンドトラック ("Riffa Cha Cha"の作曲)
- 『豪勇ゴライアス』 Le pillole di Ercole : 監督ヴィットリオ・コッタファーヴィ、1962年 - 作曲・指揮
- 『ひとりローマと戦う』 Solo contro Roma : 監督ハーバート・ワイズ (ルチアーノ・リッチ)、1962年 - 作曲
- 『戦闘』 La guerra continua : 監督レオポルド・サヴォーナ、1962年 - 作曲
- 『恐るべき七人』 I terribili sette : 監督ラファエッロ・マタラッツォ、1963年 - 作曲・指揮
- 『タブウ』 I tabù : 監督ロモロ・マルチェリーニ、1963年 - 作曲
- 『性の実話暴露』 In Italia si chiama amore : 監督ヴィルジリオ・サベル、1963年 - 作曲
- 『モンツァの僧侶』 Il monaco di Monza : 監督セルジオ・コルブッチ、1963年 - 作曲
- 『神話』 Il mito : 監督アディマーロ・サーラ、1963年 - 作曲
- 『淑女たち』 Gli onorevoli : 監督セルジオ・コルブッチ、1963年 - 作曲
- La ragazza di mille mesi : 監督ステーノ、1963年 - 作曲
- 『ヴェネツィアの小さなパン屋』 Il fornaretto di Venezia : 監督ドゥッチオ・テッサリ、1963年 - 作曲
- 『トトセクシー』 Totòsexy : 監督マリオ・アメンドーラ、1963年 - 作曲・サウンドトラック("Penelope", "Jen Jen Twist")
- 『詐欺師たち』 Gli imbroglioni : 監督ルチオ・フルチ、1963年 - 作曲(楽曲 "Roma nun fa' la stupida stasera" and "Ciumacchella de Transtevere")
- 『怪物たち』 I mostri : 監督ディーノ・リージ、1963年 - 作曲
- 『昨日・今日・明日』 Ieri : 監督ヴィットリオ・デ・シーカ、1963年 - 作曲・指揮・出演・役 Giorgio Ferrario("Anna"篇)
- 『訪問』 La visita : 監督アントニオ・ピエトランジェリ、1963年 - 作曲
- 『夜の話』 Una storia di notte : 監督ルイジ・ペトリーニ、1964年 - 作曲
- Che fine ha fatto Totò baby? : 監督オッタヴィオ・アレッシ、1964年 - 作曲 (ロマン・ヴァトロ名義)
- Alta infedeltà : 監督フランコ・ロッシ / エリオ・ペトリ / ルチアーノ・サルチェ / マリオ・モニチェッリ、1964年 - 作曲・指揮
- 『トト対マチステ』 Totò contro Maciste : 監督フェルナンド・チェルキオ、1964年 - 作曲
- Totò e Peppino divisi a Berlino : 監督ジョルジオ・ビアンキ、1964年 - 作曲・指揮
- 『良きイタリア人たち』 Italiani brava gente : 監督ジュゼッペ・デ・サンティス、1964年 - 作曲
- 『もしお許し願えれば女について話しましょう』 Se permettete parliamo di donne : 監督エットーレ・スコラ、1964年 - 作曲
- La ragazza in prestito : 監督アルフレード・ジャンネッティ、1964年 - 作曲
- 『気ままな情事』 Il magnifico cornuto : 監督アントニオ・ピエトランジェリ、1964年 - 作曲
- La mia signora : 監督マウロ・ボロニーニ / ティント・ブラス / ルイジ・コメンチーニ、1964年 - 作曲・指揮
- 『あゝ結婚』 Matrimonio all'italiana : 監督ヴィットリオ・デ・シーカ、1964年 - 作曲・指揮
- 『美しき家族たち』 Le belle famiglie : 監督ウーゴ・グレゴレッティ、1964年 - 作曲・指揮・サウンドトラック("Caro amore mio"の作曲)
- 『木曜日』 Il giovedì : 監督ディーノ・リージ、1965年 - 作曲・指揮
- 『バンボーレ』 Le bambole : 監督ディーノ・リージ / ルイジ・コメンチーニ / フランコ・ロッシ / マウロ・ボロニーニ、1965年 - 作曲
- 『ガウチョ』 Il gaucho : 監督ディーノ・リージ、1965年 - 作曲・指揮
- Assassinio made in Italy : 監督シルヴィオ・アマディオ、1965年 - 作曲
- 『ゴールデン・ハンター』(ビデオ題『カサノヴァ'70』) Casanova '70 : 監督マリオ・モニチェッリ、1965年 - 作曲
- 『おとぼけ紳士録』 I complessi : 監督ディーノ・リージ / フランコ・ロッシ / ルイジ・フィリッポ・ダミーコ、1965年 - 作曲・指揮・出演・本人役("Guglielmo il dentone"篇)
- 『黄金の七人』 Sette uomini d'oro : 監督マルコ・ヴィカリオ、1965年 - 作曲・指揮・音楽監督、ナストロ・ダルジェント作曲賞受賞(1966年)
- 『続・黄金の七人/レインボー作戦』 Il grande colpo dei sette uomini d'oro : 監督マルコ・ヴィカリオ、1965年 - 作曲・指揮
- Le Fate : 監督マウロ・ボロニーニ / マリオ・モニチェッリ / アントニオ・ピエトランジェリ / ルチアーノ・サルチェ、1966年 - 作曲・楽曲作曲("Maga magò", "Ta, ta, ta, ta", "Walk into My Life")・指揮
- 『結婚戦争』 Il marito è mio e l'ammazzo quando mi pare : 監督パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、1966年 - 作曲
- 『イタリア式不倫』 Adulterio all'italiana : 監督パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、1966年 - 作曲(楽曲 "Bada Caterina" and "Brillo e bollo")・指揮
- 『スパイたちは花々を愛する』 Le spie amano i fiori : 監督ヒューバート・ハンフリー(ウンベルト・レンツィ)、1966年 - 作曲
- 『私たちの夫』 I nostri mariti : 監督ディーノ・リージ / ルイジ・フィリッポ・ダミーコ / ルイジ・ザンパ、1966年 - 作曲( "Il Marito di Olga" and "Il marito di Attilia")
- 『ナポリと女と泥棒たち』 Operazione San Gennaro : 監督ディーノ・リージ、1966年 - 作曲・指揮
- L'arcidiavolo : 監督エットーレ・スコラ、1966年 - 作曲
- Maigret à Pigalle : 監督マリオ・ランディ、1966年 - 作曲
- 『狂った大陸・これがアメリカだ』 America paese di Dio : 監督ルイジ・ヴァンツィ、ドキュメンタリー映画、1966年 - 作曲
- 『続 鎖の大陸/苦いパン』 Il pane amaro : 監督ジュゼッペ・マリア・スコテーゼ、1967年 - 作曲
- 『星空の用心棒』 Faccia d'angelo, 伊語原題 I lunghi giorni della vendetta : 監督スタン・ヴァンス (フロレスターノ・ヴァンチーニ)、1967年 - 作曲
- 『シチリアのドン・ジョヴァンニ』 Don Giovanni in Sicilia : 監督アルベルト・ラットゥアーダ、1967年 - 作曲(楽曲 "Quando ero un bebè" and "I Love You")
- 『弾頭 危機一髪』 Muori lentamente... te la godi di più, 独語原題 Mister Dynamit - morgen küßt Euch der Tod : 監督フランツ・ヨセフ・ゴットリーブ、1967年 - 作曲
- 『危険な恋人』 Col cuore in gola : 監督ティント・ブラス、1967年 - 作曲
- 『奇想天外・泥棒大作戦』 Operazione San Pietro : 監督ルチオ・フルチ、1967年 - 作曲
- 『新・黄金の七人=7×7』 Sette volte sette : 監督ミケーレ・ルーポ、1968年 - 作曲・指揮
- 『セックス・パニック/愛欲のイタリア女族物語』 Le dolci signore : 監督ルイジ・ザンパ、1968年 - 作曲
- 『LSD 5ドルで天国!?』 Acid - delirio dei sensi : 監督ジュゼッペ・マリア・スコテーゼ、1968年 - 作曲・指揮
- 『スピードは俺の稼業』 Il complotto, 英語原題 Rapporto Fuller : 監督テレンス・ハサウェイ(セルジオ・グリエコ)、1968年 - 作曲・指揮
- 『預言者』 Il profeta : 監督ディーノ・リージ、1968年 - 作曲・主題歌作曲・指揮
- 『私を虐めて抱きしめて』 Straziami : 監督ディーノ・リージ、1968年 - 作曲
- 『ファウスティーナ』 Faustina : 監督ルイジ・マーニ、1968年 - 作曲・指揮
- 『われらが英雄はアフリカにミステリアスに消えた友人を見つけるだろうか?』 Riusciranno i nostri eroi a ritrovare l'amico misteriosamente scomparso in Africa? : 監督エットーレ・スコラ、1968年 - 作曲
- 『女性上位時代』 La matriarca : 監督パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、1968年 - 作曲
- 『裸に視える』 Vedo nudo : 監督ディーノ・リージ、1969年 - 作曲
- Nell'anno del Signore : 監督ルイジ・マーニ、1969年 - 作曲
- 『ママの気持ち』 Cuore di mamma : 監督サルヴァトーレ・サンペリ、1969年 - 指揮
- 『地獄のプラトーン』 L'urlo dei giganti, 西語原題 Hora cero: Operación Rommel : 監督ヘンリー・マンキウィッツ(レオン・クリモフスキー)、1969年 - 作曲
- 『どう、いつ、なぜ』 Come, quando, perché : 監督アントニオ・ピエトランジェリ、1969年 - 作曲・指揮
- 『全裸でどこ行くの?』 Dove vai tutta nuda? : 監督パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、1969年 - 作曲
- 『警視ペペ』 Il commissario Pepe : 監督エットーレ・スコラ、1969年 - 作曲
- 『ラヴメイカー』 Lovemaker : 監督ウーゴ・リベラトーレ、1969年 - 作曲
- 『正常な若者』 Il giovane normale : 監督ディーノ・リージ、1969年 - 作曲
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
参考文献
関連事項
脚注
外部リンク