アレクサンドル・ジャン・アルベール・ラヴィニャック(Alexandre Jean Albert Lavignac, *1846年1月21日 パリ - †1916年5月28日 パリ)はフランスの音楽教育者・作曲家。
略歴
パリ音楽院においてアントワーヌ・フランソワ・マルモンテルとフランソワ・ブノワおよびアンブロワーズ・トマに師事し、後に自らも和声法の教師として母校の教壇に立った。主要な門人にヴァンサン・ダンディやガブリエル・ピエルネ、アメデー・ガストゥエ、フローラン・シュミット、フィリップ・ヤルナハらがいる。著作を通じて音楽理論家として名を遺した。
作曲家として広く知られているわけではないが、それでも8手のためのピアノ曲《ギャロップ行進曲(Galop Marche)》はたびたび演奏されている。
指揮者としても活動し、1864年3月に、わずか18歳で、ハルモニウムを弾きながらロッシーニの《小荘厳ミサ曲》の非公開初演を指揮した。
著作
ラヴィニャックは『音楽事典(フランス語: Encyclopédie de la Musique)』の編集者であった。また、リヒャルト・ワーグナーの楽劇を論じた著作集『バイロイト詣で(Le Voyage artistique à Bayreuth)』は比較的人気があり、ワーグナーのライトモティーフの分析が含まれている。
- 『聴音書き取りの理論と実践・完全篇』(Cours complet théoretique et pratique de dictée musicale) (1882年)
- 『足鍵盤の流儀』(École de la pédale) (1889年)
- 『音楽と音楽家』(La musique et les musiciens) (1895年、英訳版は1905年)
- 『バイロイト詣で』 (Le voyage artistique à Bayreuth) (1897年)
- 『音楽事典・音楽学校事典』 (Encyclopédie de la musique et dictionnaire du conservatoire) (編纂:1913年以降)
要約された著作『音楽と音楽家(La Musique et les Musiciens)』は、楽曲構成法や楽曲素材についての概論であり、作曲者の歿後も重版を続けた。同書の中でラヴィニャックは、楽器ごとや調性ごとの細かい特徴について[1]、かつてエクトル・ベルリオーズがしたような方法で色分けしている。
参考資料
外部リンク
註記
- ^ 「トロンボーンの音色は、性質上、壮麗で印象的である。オーケストラ全体を支配したり、超人的な力という印象を引き起こしたりするには、充分に強烈な音色であって(中略)、恐ろしげだとか哀しげであるとか、あるいは意気沮喪であるとかといった印象にもなりうるし、あるいはオルガンのような落ち着きを感じさせることもできる。(中略)トロンボーンは、高遠で劇的な表現力を秘めた華やかな楽器なのであり、ここぞという場面のためにとっておかねばならない。」