アメリカ手話 使われる国
北アメリカ 、西アフリカ 、中部アフリカ 使用者数
250,000–500,000人(1972年、アメリカ合衆国) 言語系統
言語コード ISO 639-3
ase
Areas where ASL or a dialect/derivative thereof is the national sign language
Areas where ASL is in significant use alongside another sign language
テンプレートを表示
アメリカ手話 (アメリカしゅわ、American Sign Language、英略:ASL)とは、アメリカ合衆国 やカナダ の英語圏で使われている手話 である。またアメリカ手話の方言やその変型が西アフリカ や東南アジア の一部で使用されている。正確な数値は不明だが、現在25万人から50万人が使用しているとされる[ 1] 。1960年代にはアメスラン (Ameslan)とも呼ばれた[ 2] 。
解説
イギリス とは音声言語 においてはほぼ同じ英語でありながら、アメリカ手話はイギリス手話 (BSL)とは全く違っている。その理由は、アメリカ手話はフランス手話 (FSL)から枝別れしてきた手話だからである。しかし、現在、アメリカ手話とフランス手話はアルファベット をのぞき、ほとんど表現が異なっている。
1817年、アメリカ合衆国で初めて公立聾学校(コネティカット聾唖教育指導施設 、アメリカ聾学校 の前身)がコネティカット州 ハートフォード が設立され、そのときに使われた教育方法に、ホームサイン とよばれる地元の手話に加えてフランス手話が用いられた。創立者の一人であるトーマス・ホプキンズ・ギャローデット がフランスに行って、手話法による教育を行っていたパリ国立聾唖学校 で教育方法を1年間研修して、その後フランス人のろう教師ローラン・クレーク を伴って帰国したことから、フランス手話がアメリカ手話に織り込まれるようになった。
1960年にギャローデット大学 の言語学者であるウィリアム・ストーキー はアメリカ手話を研究し、論文『手話の構造』を発表した。これは手話は劣った言語ではなく、音声言語と変わらない、独自の文法を持つ独立言語であるという内容だった。これをきっかけにして、手話を言語学として研究対象とする学者が増えた。
デファクト・スタンダードとしてのアメリカ手話
音声言語の英語が世界で最も広く使われる言語となってきているようにアメリカ手話も世界で最も普及されている空間言語 になってきている。それは、世界各地からろう者がアメリカのギャローデット大学に留学し、卒業後に帰国して広めたことによるが、平和部隊 (Peace Corps)のろう者がボランティアとして各地でアメリカ手話でろう教育を支援したことや、過去に多民族国家のマレーシア やシンガポール のように現地で英語を第一言語とする聾教育政策としてアメリカ手話を取り入れたことも、アメリカ手話が世界に普及した原因の一つと考えられる。世界共通の手話として国際手話 があるが、イギリス手話とアメリカ手話が主流である。これに関しては反発も多い。
脚注
^ Mitchell, Ross; Young, Travas; Bachleda, Bellamie; Karchmer, Michael (2006). "How Many People Use ASL in the United States?: Why Estimates Need Updating". Sign Language Studies (Gallaudet University Press.) 6 (3). ISSN 0302-1475. Retrieved November 27, 2012. [1]
^ “Ameslan: American Sign Language ”. Handspeak.com. 2017年1月7日 閲覧。
関連項目