「アペニン山脈 」はこの項目へ転送 されています。
最高峰のコルノ・グランデの山容。
北アペニン山脈で見られる枕状溶岩 。この溶岩が噴出した時は、ここが水中であったことを意味する。
アペニン山脈 (アペニンさんみゃく)とは、イタリア半島 を縦貫する脊梁山脈 である。片仮名転記では、イタリア語風にアッペンニーニ(イタリア語 : Appennini )と表記されたり、英語風にアペナイン(英語 : Apennine )と表記される場合も有るものの、本稿では「アペニン山脈」の表記に統一する。山脈の長さは全体で約1200 km に達するが、北・中央・南の3つに区分される。最高峰は中央アペニン山脈に属する、標高2912 m のコルノ・グランデ である。
地質
アペニン山脈は新期造山帯 であり、アフリカプレート がユーラシアプレート に衝突した影響による造山運動により形成された[ 1] 。まず、これらのプレートの動きにより、白亜紀 末期から、アルプス山脈 が隆起して形成された。アペニン山脈はそれより遅れて誕生し、2000万年前の新第三紀 の初めから隆起が始まり現在の姿となったと考えられている。ただし、アペニン山脈はアルプス山脈の一部として形成されたのではなく、その証拠として、アドリア海 からポー平原 へと続く沈降域の南側の隆起帯で、正断層 が発達している点が挙げられる。
なお、北アペニン山脈 (イタリア語版 ) には蒸発岩の1種である石膏 によるカルスト地形 が見られ、そこに900箇所以上の洞窟が狭い地域に集まっている。その洞窟の長さを全て合算すると、100 km 以上に達する。このカルスト地形と洞窟群は、2023年にユネスコの世界遺産 に登録された[ 2] 。
生物圏保護区
トスカーナ州 とエミリア=ロマーニャ州 を跨ぐトスコ=エミリアーノ・アペニン山脈 (イタリア語版 ) のチーザ峠 (英語版 ) からフォルビチ峠までの一帯は、イタリア政府によりアッペンニーノ・トスコ=エミリアーノ国立公園 (英語版 ) に指定されている。この部分は、中央ヨーロッパ と南ヨーロッパ の地理的および気候的境界を成している。この一帯には、アルプスオダマキ (英語版 ) などの固有種 の植物が生育し、メガネイモリ (英語版 ) 、ホクオウクシイモリ (英語版 ) 、タイリクオオカミ 、イヌワシ 、オウシュウオオチャイロハナムグリ (英語版 ) などの動物が棲息している。このため2015年に、ユネスコの生物圏保護区 に指定された[ 3] 。
出典
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
アペニン山脈 に関連するカテゴリがあります。