『むく犬ディグビー』(Digby, the Biggest Dog in the World)は、1973年のイギリスのファンタジーコメディ映画。ジム・デイル(英語版)、スパイク・ミリガン、アンジェラ・ダグラス(英語版)、リチャード・ボーモント(英語版)、ディンズデイル・ランデン(英語版)出演。テッド・キー(英語版)の『The Biggest Dog in the World』が原作である。
建築塗料のブランドデュラックス(英語版)のマスコットで、1961年から世界中の広告で起用し人気を博していた[1]、オールド・イングリッシュ・シープドッグのファーンヴィル・ロード・ディグビーがタイトルキャラクターを演じる。
ストーリー
ビリー・ホワイト少年は、犬の保護施設にいたオールド・イングリッシュ・シープドッグに惹かれ毎日通い、遂に犬を売ってほしいとマネージャーに頼む。ビリーに父親がいないことに同情したマネージャーは、富豪婦人との先約を蹴り、彼に犬を譲った。ビリーは犬にディグビーと名付け、家路につく。
NATOの研究所では、所長のジェームソン博士と警備主任のマスターズ大佐が精神医学の世界的権威のハルツ博士を迎える最中、動物心理学が専門で動物好きの研究員 ジェフ・エルドンはチンパンジーのクラリッサと戯れる。ビリーの母ジャニーヌはジェフの同僚で、ジェフとマスターズ大佐は彼女に好意を寄せており、大佐はジェフを目の敵にしていた。そこにマスターズ大佐の上官であるフランク将軍が来所し、ジェームソン博士と開発を担当するライバート教授は最重要課題の植物成長促進剤の成果を発表する。開発の結果、成長促進剤で植物の成長を大幅に早めることに成功したが、同時に植物の巨大化という問題も発生したことを報告し、現在植物の成長を止める薬品も開発中だと伝えるが、ハルツ博士はそれに懸念を示す。
成長促進剤の効果を見たジェフは、自宅の薔薇を巨大化させたいという好奇心から、研究室の容器から少量を拝借する。ビリーは犬嫌いの祖父にディグビーを家から追い出すよう言われ、世話をしてくれそうなジェフへ一時的に託すため、彼の家の前にディグビーを連れていく。ジェフは一匹で佇むディグビーを見つけ、飼うことを決める。ディグビーと自宅に入ったジェフが、拝借した成長促進剤を水で溶いていると、犬を預かってくれたことへのお礼を言いに来たジャニーヌが訪ねてきた。彼女にお菓子を出すため、ジェフがテーブルに置いた促進剤から目を離したとき、それを牛乳だと思ったジャニーヌがディグビーに与えてしまう。ディグビーが飲み終え、彼女が牛乳を注いで再び与えようとしているのを見て、ジェフは慌てて止める。ジャニーヌを食事に誘おうとして余計なことを話し失敗したジェフは、成長促進剤をディグビーが飲み干し、牛乳に変わっていることを知らずに庭の薔薇へ撒く。その頃、ハルツ博士はジェフの隣家だと知らずに売買契約を終え、騒がしい彼を発見した博士は選択を誤ったと頭を抱える。
翌日、大きさが倍になっているディグビーを見たジェフは、成長促進剤をディグビーが飲んだと確信する。研究所ではマスターズ大佐らが促進剤の盗難に気付き、内部のスパイの仕業として疑っていた。出勤したジェフは、ジャニーヌから家で犬を飼うことを彼女の父でビリーの祖父が認めてくれたことを伝えられる。だんだんと巨大化していくディグビーを隠しながら世話していたジェフだが、ビリーがディグビーを迎えに来たため、ごまかすために適当な言い訳をしたり持っていたドッグフードを食べたりして、ビリーを帰らせる。ドッグフードを食べているジェフを見たハルツ博士は、彼が自分を犬だと思っていると確信を抱き、ジェームソン博士とマスターズ大佐に意見する。自宅での世話に限界を感じたジェフは、田舎のおばさんの家へ匿うため、ディグビーを馬に偽装し連れ出す。それを見た元サーカス団員のトムとジェリーの2人は、サーカスにディグビーを巨大犬として売って一攫千金を得るため、ジェフから盗もうと画策する。
キャスト
テレビ東京版:初回放送1990年12月26日『2時のロードショー』
スタッフ
日本語版スタッフ
VHS版
- 日本語字幕 - 岡枝慎二
- 吹替翻訳 - たかしまちせこ
- 吹替演出 - 田島荘三
- 吹替製作 - コスモプロモーション
テレビ東京版
- 翻訳 - 安西敬
- 演出 - 松川陸
- 音効 - 猪飼和彦
- 調整 - 金谷和美
- スタジオ - ニュージャパンスタジオ
- 担当 - 井村恵樹(千代田プロダクション)
参考文献
外部リンク