だし道楽の自動販売機。三井のリパーク に設置されている。
ペットボトル内にはトビウオが入っている。
だし道楽 (だしどうらく)は、広島県 江田島市 に本社を置く有限会社二反田醤油が販売するだし醤油 。ペットボトル のなかに焼いたトビウオ がそのままの姿で入っている点に特徴がある[ 1] [ 2] 。また、自動販売機 による販売という珍しい手法をとっている[ 1] 。
製品
だし道楽は、薄口醤油を基本とした関西 風のだし製品である[ 3] 。うどん・鍋・だし巻き卵 など多くの料理に使えるとされる[ 1] 。
自動販売機で販売できるように、容器には500ミリリットル のペットボトルが用いられている[ 1] [ 2] 。広島県 江田島 の工場で1日あたり2,000本から2,400本程度が生産されている[ 3] 。
製品は「焼きあご入り」「昆布入り」「焼きあご・宗田節入り」の3種類が存在する[ 4] 。容器にはだし汁以外に、「昆布入り」の製品には昆布 、「焼きあご入り」には九州 産の焼あご と昆布[ 1] 、「焼きあご・宗田節入り」には焼きあごと昆布と宗田節 が入っている。容器内の焼きあごは、砕くことでふりかけとして利用することもできるとされる[ 5] 。
飲料と同様の自動販売機で販売されているものの、通常の飲料ではあり得ない700円 という値段のため、消費者が通常のペットボトル飲料 と勘違いして購入するような事態は起きていないという[ 2] 。なお、外国人 の利用者に誤解されないよう、念のために自動販売機には“Do not drink. This is a vending machine of dashi.”という注意書きがなされている[ 5] 。
販売の経緯
二反田醤油直営のうどん屋吉浦店(呉市 )。元々はこの店舗で使っているだし汁だった。
だし道楽を販売する二反田醤油は、もともとは醤油の販売をメインとするメーカー[ 1] で、醤油の売れ行きが不調だったため、醤油の加工食品に事業を広げることとした[ 3] 。
この際、ポン酢 や焼肉のたれなどを販売する案も上がった中、今後のだし市場の拡大に期待し、だしを販売することとした[ 3] 。その後、3年間をかけて開発され、2003年 に「だし道楽」が完成した[ 3] 。当初はデパート やスーパー での販売も試みられたものの、好調とは言いがたかった[ 3] 。そこで商品を宣伝するために「だし道楽」を用いたうどん 屋を開業した[ 3] 。しかし、うどん屋の営業時間は限られていたことから、24時間販売 を可能とするため、だしの自動販売機を設置して販売することを決めた[ 3] [ 5] 。2012年 にはコインパーキング 「三井のリパーク 」との提携を始め、各地の駐車場 に自動販売機を展開し、設置数が増加している[ 6] 。
2017年時点では、全国およそ40か所に設置されている[ 2] 。設置場所は通販の注文から需要の高い土地をリサーチしたうえで選出しているという。また生産量の都合から最大設置台数を定めたうえで運営している。今後も百貨店などでの販売を行うことはなく、自販機のみでの販売を続ける予定だという[ 3] 。
脚注
外部リンク