株式会社 たち吉( - たちきち)は、日本の京都市下京区に本社を置く日本企業。陶磁器の販売会社である。
概要
創業は宝暦2年(1752年、江戸時代前期)とされる。京焼だけでなく全国各地の陶磁器を仕入・販売しており、2021年現在、全国の百貨店などに30の店舗がある。このような一般消費者向けの販売の他に、企業向けにノベルティ・販促品や業務用食器の企画・販売なども行なっている。
また、かつては京都市の繁華街である四条通に面した位置に本店を構え、ギャラリーや陶芸教室を併設するなど文化活動も手掛けていたが、2011年7月には本店を閉店した[2]。陶磁器製品の売上高が200億円を超えていた国内でも数少ない会社の一つであり、特に和食器の業界では突出した規模の存在である[3]。
しかし、1999年3月期以降は長期借入金が増加し、1999年と2001年に早期退職者の募集を実施[4]。同時期には金融機関から事業計画の策定を求められた[4]。2011年に金融機関からコンサルティング会社を紹介されたが、2012年に陶磁器から鉛が検出された他、下請法違反で公正取引委員会から是正勧告を受けた[5]。2013年3月期には本社ビルを売却したため黒字に転換したが、2014年3月期は再度赤字に転落した[1]。
このためたち吉は2015年4月、投資ファンドであるニューホライズンキャピタルが設立した同名の新会社に全事業を譲渡し[6][7][8]、本店を路面店に戻すことを含む再建策が発表された[9]。旧社の岡田高幸社長は事業譲渡当日、従業員に対して「残念ながら、新会社に移籍できるのは従業員の7割ほどです」「部長以上の幹部層の方々は移籍できません。また、人事評価が悪かった方も移籍できません」などと説明していたという[10]。これをもって263年間続いた同族経営に終止符が打たれた。
旧社は新社への譲渡と同時に株式会社四条富小路へ商号変更され、2015年5月19日に解散を決議[1]。四条富小路は同年7月15日に京都地方裁判所へ特別清算を申請し[1]、後に特別清算開始決定を受けた。四条富小路の負債は約28億円。四条富小路は2017年1月13日に法人格が消滅した[11]。
沿革
旧:たち吉→四条富小路
新:たち吉
- 2015年(平成27年)4月1日 - ニューホライズンキャピタルが株式会社たち吉(旧社)の事業を譲受する新会社として、株式会社たち吉(新社)を設立。同時に旧社から事業を譲受。
- 2016年(平成28年)8月1日 - 株式会社たち吉ホールディングスを吸収合併。
- 2019年(平成31年)3月1日 - 株式会社萬皿屋を吸収合併。
不祥事
下請会社に支払うべき代金の価格を不当に減額するなどしたとして、公正取引委員会から、2012年3月2日に下請法違反で勧告を受けた[12]。
2021年3月31日から2021年4月26日までの期間、「たち吉オンラインショップ」でクレジットカード決済を利用した677名のクレジットカード情報が漏洩した可能性があることが判明した。[13]
脚注
外部リンク