「さくら」は、「肥後花(ひごばな)」とも言い、ハワイで遊ばれている花札の遊戯のひとつである。
概要
花札は日系移民によりハワイに伝えられたが、現在は高齢者を中心に細々と行われているのみである[1]。
ゲームの内容は花合わせによく似ているが、札の点数や役に大きな違いがある。
名称
「さくら・肥後花・熊本花」はゲームの名称であり、札そのものは単に「花札」と呼ばれる。
遊び方
通常の48枚の花札を使用する。
植物をハワイ風に変えた特殊な花札も市販されているが、それは土産用であり、ゲームを行う上では日本の花札をそのまま使用して構わない。
人数
人数は2人から7人まで[2]が可能である。ただし人数が多いと役はほとんどできなくなる。
出降りがあり、常に2人だけが実際に競技する「追い花」という遊び方もあるらしい[3]。
札を配る
参加人数によって以下のように枚数が異なる。
人数 |
手札 |
場札
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2 |
8 |
8
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3 |
7 |
6
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4 |
5 |
8
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5 |
4 |
8
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6 |
3 |
12
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7 |
3 |
6
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札を取る
実際の札の取り方は花合わせを参照。途中で役ができても手札がつきるまでプレイを続ける。
ガジ(鬼札)
雨のカス札は「ガジ」と呼ばれる。ガジが場に出た場合には、ふつうの雨の札として扱う。ガジが手札にある場合は、雨に限らず場にある何月の札とでもあわせることができる。
プレイが終わったとき、2枚の札があまる(雨が1枚と、ガジで取った月の札が1枚)が、あまりの札が出てきたら、それらはガジを使った人のものになる。
引き
場に同じ月の札が4枚出たときは、その札はすべて親のものになる。
同じ月の札が場と手札をあわせて4枚になるときは、「引き」を宣言して、それらを一度にまとめて取ることができる。
「引き」はいつでも宣言できる。4枚のうちの1枚をだれかがガジで取ろうとしたときに「引き」を宣言すれば、引きのほうが優先される。
得点計算
札の点数
「さくら」の札の得点は、一般的な花合わせや八八のものとは異なり、種札と「柳に小野道風」は5点で、逆に短冊が10点になる。
点数 |
枚数 |
札
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20点 |
4枚 |
松に鶴、桜に幕、芒に月、桐に鳳凰
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10点 |
11枚 |
短冊、黄色の桐のカス札
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5点 |
10枚 |
柳に小野道風、それ以外の種札
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0点 |
23枚 |
それ以外のカス札
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出来役
出来役はすべて札3枚からなり、一律50点である。日本の花合わせと同じものもあるが、独特なものが多い。役に決まった名前がないので、説明のためにここでは番号をつけてある。
1・3・4・6・8 は日本の通常の花合わせにもある役である。また、日本でも地方によっては 2 に相当する「猪鹿雁(または猪鹿鳥・野荒らし)」、5 に相当する「菊鹿蝶」がある。
役のうち、3と4、5と6、7と8はそれぞれ同じ月の札の組み合わせになっている。
勝敗の決定
各人は札の点数の合計を加算する。出来役があれば、ほかのメンバーは役ひとつあたり50点を減ずる。
もっとも得点の多い人をその回の勝者とする。複数の人が同点になった場合は、親から反時計回りに数えて番号の若い者の勝ちとする。
脚注
外部リンク