『ごきげんないとこ』 (英語: Jerry's Cousin、劇場公開時『チュー太武勇伝』) は1951年4月7日に公開されたメトロ・ゴールドウィン・メイヤー製作・配給の「トムとジェリー」短編作品の一つ。
概要
ジェリーのいとこ(Jerry's Cousin)が登場する唯一の回で、日本では「ダイナマイト」と紹介されていたその名前はマッスルズ(Muscles)。「筋肉(Muscle)」を含んだ名前に見合った怪力の持ち主で喋る声もガラガラ声だが、見た目はジェリーにそっくりである。
1950年アカデミー短編アニメ賞ノミネート作品。
スタッフ
作品内容
ホーガンズ・アレイにて、沢山の野良猫たちをボコボコにしていた怪力ネズミがいた。その名も、ジェリーのいとこ・マッスルズである。
ある時、「トムから酷い仕打ちを受けている。どうか助けて欲しい」とジェリーから手紙を受け取ったマッスルズは、先刻叩きのめされた野良猫たちが彼を見るなり一目散に逃げ出す中、ジェリーの家へ向かう。
ジェリー宅を訪ねたマッスルズは、面白半分でジェリーを爆弾攻めにするトムを慣れた手つきで懲らしめ、「覚えておけ。俺のいとこに手を出したら承知しないからな。分かったらとっとと失せろ!」と忠告する。
思わぬ強敵と相見えたトムは、肉体改造を経て様々な手を使い彼をぶちのめそうとするが、先手こそ打てるものの法外なパワーを誇るマッスルズにどうしても及ばない。自力では打つ手なしと判断したトムは「DIRTY WORK Inc.(悪巧み商事)」へダイヤルを回す。ヤクザまがいの用心棒を雇いマッスルズを倒してもらおうとしたのだ。しかし初めは善戦していた3人組さえも結局コテンパンにやられてしまう。ついにトムはマッスルズに降伏し、口笛を吹かれるや否やひたすらに頭を下げて足にキスを始める。
「口笛を吹けばいいんだ。後はバレねえように上手くやりな。あばよ」。トムを敗北に追いやったマッスルズは、ジェリーに自分とお揃いの帽子と服を渡し帰っていく。その服を着たジェリーは早速その出で立ちで巣穴を出て口笛を吹く。自身を呼び出した「マッスルズ」に、トムは再び平伏し始めるのだった。
登場キャラクター
- トム
- ジェリーの巣穴に爆弾を次々と投げ込んでいたところをマッスルズからお仕置きを受ける。その後は打倒マッスルズのためにトレーニングを重ねるが最強のマッスルズにことごとくやられ、依頼先のヤクザ猫までも追い出されたところでマッスルズに降伏し、(マッスルズと同じ服を着た)ジェリーを襲えなくなった。
- ジェリー
- 自身の家の爆弾攻撃に耐えかね、従兄弟のマッスルズの助けを呼ぶ。最後はマッスルズからお揃いの服をもらい、トムをタジタジにさせた。
- マッスルズ
- ホーガンズ・アレイに住むジェリーのいとこ。外見はジェリーにそっくりだが、野良猫の群衆や腕っ節の強いヤクザ猫をものともしない戦力を持つ。その強さは唾吐きで壺を割ったり、高所からボーリング玉を落されて直撃を受けても無傷、挙句ショットガンの銃口から息で弾丸を逆流させるなど、化け物レベルの強さを誇る。ジェリーから「トムにいじめられており助けてほしい」旨の手紙が届いたため、ジェリーの家へ行きトムを懲らしめる。トムが呼んだヤクザ猫3匹もことごとく退治し、最後はトムを降伏させた。
- 「DIRTY WORK Inc.」の猫
- トムの依頼を受け、マッスルズを退治しようとするも返り討ちに遭った。
- 野良猫たち
- マッスルズに次々と尻尾をつかまれて叩きのめされる。ジェリーの家へ向かうマッスルズが通りかかると一目散に逃げだした。
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