『あーくしゅ』は、1989年にウルフ・チームから発売されたコンピュータゲーム。
『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)のウルフ・チームの広告ページ「WOLF GAMERS」で連載していた同名の4コマ漫画をベースとしたアドベンチャーゲームであり[1]、パッケージや広告では「アークス番外編」と銘打っている。タイトル画面には「陽炎の時代を越えて」と副題のように書かれているが、これは鈴木(G)健一がグラフィックの一部として書いたもので、正式なタイトルではない[2][3]。
概要
本作はじぇだ(ジェダ・チャフ)とピクト(ピクト・A・ピヨント)の二人組が次元に発生した穴を修復するべく、三本の聖剣と各次元に点在するCDを集めるために冒険を繰り広げるストーリーである。二人を任意で切り替える事が可能であり、同じコマンドや話し相手でも行動や反応が異なる。このキャラクターの使い分けによって謎を解く。
登場キャラクターは『アークス』および『アークスII Silent Symphony』のパーティーキャラクターがメインとなる。そこに、『ファイナルゾーン』『夢幻戦士ヴァリス』『YAKSA』『ミッドガルツ』『Gaudi -バルセロナの風-』など、日本テレネット時代を含めたウルフチーム作品のキャラクターが多くゲスト出演している。
また、物語には原典ゲームのパロディだけではなく映画、小説、漫画、アニメなどのものがふんだんに盛り込まれている。
BGMは原典のゲームで使われた曲をアレンジしたものや本ゲーム用に新規作曲された曲が使用されている。ゲームの目的に4枚のCDを集める事が含まれるのでサウンドが大きな意味を持つ。
4コマ漫画
原作の4コマ漫画『あーくしゅ』は、当初は『アークス』のスタッフである林浩樹[4]によって描かれていたが、スタッフの入れ替わりにより作者が変わって連載が続いた。ゲームの『あーくしゅ』は、(G)[注釈 1]が描いた『あーくしゅ2』以降を原作とする[注釈 2]。ゲームの各キャラクターの性格や口調は4コマ漫画そのままであるが、言い方を変えれば原典のゲームとは全く異なる。
各時代と登場キャラクター
- 主人公
-
- じぇだ(ジェダ・チャフ) - 本作の主人公の一人でボケ役。突飛な行動や発言をする青年。
- ピクト(ピクト・A・ピヨント) - 本作の主人公の一人で突っ込み役。まともで真面目な行動をする少年。
- はじめの時代
- 金竜リグ・ヴェーダから使命を聞く時代。エンディング前に帰還する時代でもある。
- おじさん(『アークス』)
- 金竜リグ・ヴェーダ(『アークス』他) - ウルフチームの初期ゲームを結ぶセイクリッドファンタジーシリーズに登場する。
- DOSバーガー(ワープ空間)
- 登場するのはアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』のキャラ。
- 各時代を結ぶ空間で頻繁に通過する場所。過去のみハンバーガーセットについているスクラッチカード(英語版)であたりを出さないと移動できない。
- 現代(『ガウディ』の時代)
- 原作はアドベンチャーゲーム『Gaudi -バルセロナの風-』
- タイトルはアントニ・ガウディにちなみサグラダ・ファミリアも登場する。この現代とはバルセロナオリンピックが行われる1992年を指す。
- 近未来(『ファイナルゾーン』の時代)
- 原作はアクションシューティングゲーム『ファイナルゾーン』
- 超未来(『ミッドガルツ』の時代)
- 原作はシューティングゲーム『MID-GARTS』
- 過去(『YAKSA』の時代)
- 原作はアクションゲーム『YAKSA』
- 各時代に出現
-
- 元キャラクターは『ミッドガルツ』に登場する同名キャラクター。原作ではシリアスな敵だが本ゲームではギャグキャラ化している。出現時に必ず同じテーマ曲がかかる。
- 現代 - 光の大道芸人 ルアン・カーン
- 近未来 ー 光のコマンド ルアン・カーン
- 超未来 - 愛と勇気の男 ルアン・カーン
- 過去 - 光の浪人 ルアン・カーン
- 行方不明の仲間
- ロールプレイングゲーム『アークス』および『アークスII Silent Symphony』のキャラクター。
- エリン
- サーラ
- チノップ
- グラン
- スー・ニー
- バザン
スタッフ
- グラフィック・シナリオ - 鈴木(G)健一 [注釈 3]
- プログラム(PC-88 PC-98)- 堀智之 [注釈 3][注釈 4]
- プログラム(MSX2)- 鈴木(P)昭弘
- プログラム(X68000)- O・SUGI
- 企画・原案・進行管理 - 後藤清治
- シナリオサポート - 関塚俊次、竹田貴裕
- グラフィックサポート - 杵渕進二郎、田島清香
- サウンド - 宇野正明、桜庭統、塩生康範
- マネージメント - 浅沼穣
- アドワーク - 石井史人
- プロデュース - 秋篠雅弘
その他
- コピーガードに類するものが2か所用意されていた。ひとつはマニュアルに記載されているじぇだの好物にくまんだが、もうひとつの謎であるディスクラベルの文字に問題があった。PC-88版はラベルデザインにミスがあり、ディスクラベルに記載されているはずの暗号(HG13)が分からなかった。
- 『MSX・FAN』1990年4月号は、本作のイラストを半立体レリーフデザインした写真が表紙となっている。
関連作品
脚注
注釈
- ^ 実際は丸の中にG。WOLF GAMERS終了までタイトルや内容を定期的に変えて4コマを連載した。
- ^ ただし、「一生そーしてなさい」のフレーズは初代のものである。
- ^ a b PC-88版・PC98版プログラマー堀智之(TOMO)と鈴木(G)健一は1991年6月15日発売のPC-9801用AVG『クリスタルチェイサー〜天空の魔晶球〜』で再びタッグを組んで作品を制作した[1]。
- ^ 「開発」節に記載されているプログラマー TOMO の本名。
出典
外部リンク